この本は、こんなに人におすすめ♪
●どうすれば人は幸せになれるのかについて学びたい

前書「嫌われる勇気」を読み、自分自身の物事への見方や考え方が良い方向へと変わったから。
人は幸せになるために生きているのに、なぜ「幸福な人間」は少ないのか疑問に思ったから。
- 人はどうすれば幸せになれるのかのヒントを知れる

1956年京都生まれ。
京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。
専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。
精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行ってきた。

- アドラーは晩年、活動の拠点をアメリカに移し、一日に複数回の講演をしていた。
- 講演で一番よく受けた質問は恋愛相談。
尊敬する

尊敬とは、人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のことである。
尊敬とは、その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気づかうことである。
尊敬の語源となるラテン語の「respicio」には「見る」という意味がある。
ありのままのその人を見るということである。
引用「愛される勇気」p.43
目の前の他者を変えたり、条件付けで認めるのではなく、「ありのままのその人」を認めることが尊敬であるとアドラーは唱えます。
そして、尊敬を示す、最初の一歩を踏み出すのは「あなた自身」であると伝えています。
「他者の関心事」に関心を寄せる

距離をおいて眺めているだけではいけない。
自らが飛び込まなければならない。
飛び込む事をしないあなたは、高いところに立って「それは無理だ」「これだけの壁がある」と批評しているだけだ。
引用「愛される勇気」p.55
例えば、子どもたちとの関わり方はどうでしょうか?
ただ「子どもたちの関心事」に関心を寄せるのだ。
あなたの目から見て、どんなに低俗な遊びであろうと、まずはそれがどんなものなのかを理解しようとする。
自分もやってみて、場合によっては共に遊ぶ。
遊んであげるのではなく、自分自身がそれを楽しむ。
その時初めて、子どもたちは自分たちが認められている事、子ども扱いされていないこと、一人の人間として「尊敬」されている事を実感する。
引用「愛される勇気」p.52
子どもだけに限らず、あらゆる対人関係で良い関係を築きたいのなら「他者の関心事」に関心を寄せる必要があります。
これからどうするか

哲人が示した、三角柱に折られた紙。
青年の位置から見えるのは、三面のうち二面だけだった。
そこには「悪いあの人」という言葉、そして「かわいそうなわたし」という言葉が、それぞれ書かれている。
哲人によると、思い悩んだ人間が訴えるのは、結局このいずれかなのだという。
そして哲人は、その細い指でゆっくりと三角柱を回転させ、最後の一面に書かれた言葉を提示した。
「これからどうするか」
引用「愛される勇気」p.72
何か問題にぶつかったとき、向き合うべきは「悪いあの人」「かわいそうなわたし」ではなく、「これからどうするか」の一点です。
一時的に「辛かったね」と同調してもその時だけは癒されるけど、結局それは「依存」になるのではないかという考え方です。
本質的な解決を求めるのならば、「これからどうするか」を考える必要があります。
「わたしであること」に価値を置く

承認には終わりがない。他者から褒められ、承認されること。
しかし、そこで得られる喜びなど、しょせん外部から与えられたものにすぎない。
他者にネジをまいてもらわなければ動けない、ぜんまい仕掛けの人形と変わらない。
「わたし」の価値を他者に決めてもらうことは依存である。
「わたし」の価値を、自らの意思で、自らを承認することが幸福な生である。
引用「愛される勇気」p.151
誰かと比べて、特別でないといけないという思考に縛られるのは、ありのままの自分を認めていることにはなりません。
他者との違いに目を向けるのではなく、「自分自身である」ことに注目することが大事です。
「落ちる愛」は征服欲である

喉から手が出るほど欲しいものがあっても、それを手にした途端に飽きてしまう。
どうして手に入れた途端に飽きるのか?
それを獲得し、所有し、征服したかっただけなのだ。
引用「愛される勇気」p.229
「落ちる愛」は、この有欲や征服欲、物欲となんら変わりがありません。
私たちの幸せを築き上げる

分業の根底に流れていたのは「わたしの幸せ」(利己心)であり、突き詰めていくと、結果としてだれかの幸せにつながっていく。
一方で交友の関係を成立させるのは「あなたの幸せ」である。
相手に対して、担保や見返りを求める事なく、無条件の信頼を寄せていく。
ひたすら信じ、ひたすら与える利他的な態度によって、交友の関係は生まれる。
愛とは、このどちらかではなく「わたしたちの幸せ」を築き上げることである。
引用「愛される勇気」p.238
「わたし」や「あなた」という人生の主語が消え、「わたしたち」に変わること、わたしたちの幸せを願うことこそが愛であるという見方です。
愛されることよりも、愛することが「愛」なのだと知りました。
運命というものはなく、「この人を運命の人にしよう」と決めること、決断することであり、自らの手でつくり上げるものだという部分が刺さりました。
前書「嫌われる勇気」に出てきた学びが、本書「幸せになる勇気」と関連する箇所がいくつもあり、より深く「勇気」について掘り下げることができました。
愛おしい人ができる前に、今いる人にも、ぜひ手に取って「愛」について知ってほしいと思いました。
築き上げる愛について、愛する技術について学べる本。