この本は、こんなに人におすすめ
- 自分なりの芯を見つけたい人
- 「家族」の定義について深く考えたい人
- これからの決断でこれまでとは違う生き方をしてみたいと感じている人
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内容紹介
陽子と晴美は、幼い頃に児童養護施設で育つ境遇にあった。
それは、2人にとっての共通点であり、心のつながりだとも言える。
同じ境遇にあったからこそ、親友以上の家族になれたのかもしれない。
幼少期の頃、晴美の母親は施設に預ける前に、一通の手紙を晴美に残す。
そのメッセージを元に、「いつか晴美の母親と会えるように」と陽子が願いを込めて書いた絵本が絵本新人賞を受賞。
陽子の意思とは反して、賞に応募したお義母さんの言動が、大きな事件に巻き込まれる始まりだなんてだれも想像しなかっただろう。
印象的なポイント
陽子は活発的で自分の両親を探すために新聞社に入社。
その活動的な行動力で自分の両親のことだけでなく、陽子の両親の真相にもたどり着く。
その真相が、この2人の関係性そのものを試しているようにも思えた。
「同じ境遇でなければ、お互いは分かり合えなかったのだろうか?」
2人が真実を知った時、残った感情はなんだったのだろう。
読者へのメッセージ
正しいと思う情報を複数見つけた時、どうしてもそればかりに思考が支配されるし、段々と疑わなくなる。
しかし、正しいは正しくないと隣り合わせだし、常にそういう状況で我々は生活している。
だからこそ、確信に満ちていても、もしかしたら違う可能性があるのかもしれないという思考をどこか頭の片隅に置きたい。
湊先生は、「人は生まれた環境でその後の人生が決まるのではなく、人生は自分で作っていけるものだ」という想いをこの作品に込めている。
この境遇にどのような意味をつけるのか、この作品を通して得られた学びなどぜひ共有できたらうれしい。
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